桜田義孝発言「従軍慰安婦の問題が出るが、日本で売春防止法ができたのは昭和三十年代だ。それまでは職業としての売春婦だった。」という発言は批判を浴びて撤回したものの、相変わらずその認識は一部で蔓延っています。
桜田以前にも稲田朋美(一応訴訟法だけは知っている弁護士)も同様な発言をしていますし、ネット上では相変わらず慰安婦=売春婦(合法)という単純論法が蔓延しています。


しかし「娼妓取締規則」に則らない売春は当時でも非合法。
売春防止法ができて廃止されたのは、所謂公娼制度であって、それまでも公娼以外の売春が合法であったこと言う事ではありません。

勿論当時の警察も売春は取り締まっていました。


淫バイ
密売淫とは公娼でない非合法の売春の事です。芸妓の売春でも合法じゃなかったのです。

ウヨは
「現在の価値観で、過去を断罪するな」とよく言うが
まず桜田は「売春婦」として現在の価値観を持ち出しています。
即ち現在の自由売春と慰安婦の管理強制売春とを同一視することによって、批判を避けようとする単純なすり替えです。


戦前もほとんどの国(*1)で売春は禁止されていますが、売春や売春施設があったのは事実ですし現在もそうです。日本の場合、今でも売春施設といっていい店も存在します。

麻薬も同じで各国は禁止していますが、裏ではいくらでも手に入ります。 だからと言って「職業としての売春婦だった」ということならば麻薬や覚せい剤の密売という裏稼業も立派な職業という事になる。
桜田は覚せい剤取締法違反の人間を「この人の職業は違法薬物の販売員です」と言っているに等しいバカです。 

職業に貴賎はないと言うのは現代において当然の認識ですが、(敢えて言うなら当時の価値観では売春婦とは言わず公式文書でも差別的な「
醜業婦」と呼称していた)非合法な稼業まで職業と言ってしまう感覚には呆れてしまいます。
慰安婦は己の自由意志で身をやつしたか否かという以前の問題じゃないですか。




jokyu
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/hss/book/pdf/no103_05.pdf
より引用


表2の「女給数」の表は当時の風俗関係従事者の人数が記載されていますが、そのうち「女給」は現在の所謂クラブやラウンジホステスのようなもので、店によっては過激な性サービスをするところもあったようです。
またチップをより多く得るために枕営業もあったということですが、女給の場合は契約に縛られることなく、店の転籍も比較的自由だったこともあり、女給による自由売春は頻繁に行なわれていたようです。

しかし店ぐるみの売春の場合は摘発対象となり
表1の記載「飲食店」の多くはそういう店です。

参考資料 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/hss/book/pdf/no93_08.pdf



借金返済まで
廃業の自由のない「慰安所規定」は大審院判例や当時の国際条約にも違反する違法な規定でした。当時の女給待遇とはまったく異なります。

また慰安婦がすべて合法な娼妓であったという事実は全く存在しません。多くの証言や警察資料、外務省資料からも正規の手続きを踏んでいない事例が多く判明しています。
朝鮮や台湾に至っては手続きの有無は勿論、未成年女子の国外移送一つとってみても違法です。





(*1)「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」に日本は1925年12月に批准。

当時の加盟国はアルバニア、オーストリア、オーストラリア、カナダ、チリ、中華民国、コロンビア、コスタリカ、キューバ、エストニア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インド、イタリア、日本、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、オランダ、ペルシャ帝国、ポーランド及びダンツィチ、ポルトガル、ルーマニア、シャム、スペイン、スウェーデン。 
イギリスやスペインは植民地、オーストラリアやニュージーランドは委任統治を除外。