日本人の「強姦」は非常に少ないのか?


「法務省の有識者会議「性犯罪の罰則に関する検討会」(座長=山口厚・早稲田大教授)は6日、今よりも法定刑の下限を引き上げて、被害者の告訴がなくても起訴できるようにすべきだとの意見が多数を占めたとする報告書を了承した。上川陽子法相は今秋にも、報告書の内容を踏まえた法改正について法制審議会に諮問する。」毎日新聞2015/8/7

随分以前から国連勧告が出されていましたが、法務省もようやく具体的に動き出したようです。

CCPR自由人権規約委員会 2008年 勧告文
「締結国(日本)は、刑法177 条の強かんの定義の範囲を拡大して、近親相かん、現実の性交渉以外の性的虐待が男性に対する強かんと共に重大な刑事犯罪であると考えられるように確保し、攻撃に対して抵抗したことを立証しなければならないという 被害者の負担を取り除き、強かん及びその他の性暴力犯罪を職権で訴追すべきである。締約国はまた、裁判官、検察官、警察官及び刑務官に対する、性暴力についてのジェンダーに配慮した義務的研修を導入すべきである。」

現在は「強姦」の犯罪立証を被害者が負わなければならないので、容易ではありません。
抵抗の立証も相手を負傷させたり、悲鳴の証人を見つけることが出来なければなりません。
恐怖におののいてほとんど無抵抗という場合には立証困難です。
被害の申告率は平成20年は13.3%でした。第3回犯罪被害実態(暗数)調査結果概要P7


要するに日本は世界基準と比較して「強姦」とカウントされるには非常にハードルが高い状況です。起訴率も他の犯罪に比べ異常に低いのがそれを物語っているでしょう。



また現在「強姦罪」はコソ泥より刑が軽く、定義もかなり狭いので、ジェンダーに対する性犯罪の認識に関しては日本人は世界各国のそれより随分希薄であると思います。
また日本は、国連で2000年に採択された人身取引議定書を締結していない唯一のG8参加国でもあります



あるネトウヨは「強姦」犯罪に関して
United Nations Office on Drugs and Crime, Statistics on Crime, Sexual Violence (注:リンクはエクセルシート)の数値を提示し(多分孫引き)日本はOECD各国の中でも最も低い数値が出ているとしていますが、
強姦罪の定義は国によって大きく異なる点もあるため、一概に件数を比較できるわけでは無いにも拘わらず、単純比較をしています。
国によっては(表現は悪いのを承知で)セクハラに毛が生えた程度でも「強姦」と見做すところがあります。逆にイスラム圏の国では被害者も罰せられます。
確かに強姦の多さが問題視されている国はありますが、日本人が各国の中で一番品行方正だとは単純に言えないと思います。


oecd
OECDレポート2009より (2004~5年の調査)


日本は調査25カ国のなかで低い方から7番目で 、最も低いわけではありません。
日本人の「強姦」認識からすればOECDレポートの調査方法の方が近いと思います。

嫌韓論者が日本より韓国の方がはるかに多いというために国連データを利用しているのであって、単純比較はできないデータにあまり意味がないのですが、強引に「韓国レイプ大国説」を拡散させています。確かに日本より多いとは思いますが、しかし韓国は日本と違い2012年非親告罪としています。
単純比較ならアメリカが韓国の2倍以上高く、日本の26倍も高い数値になっています。
韓国人云々より、日本人から見れば横須賀・岩国・沖縄の基地は潜在的強姦魔の巣窟と言っても過言ではなくなりますよ。

国連のデータとOECDのオフィシャルレポートを比較すると、オーストラリアやカナダ、アメリカは強姦の定義が広く、特にベルギーに関しては明らかに差があり、日本の「強姦」とは定義が全く違うように思われます。

欧米各国が「慰安婦問題」に対する見方が厳しいのも頷けます。