古森義久氏と産経新聞は「白旗」を揚げるべきでしょう


「日本の歴史家を支持する声明」に対し産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の 古森義久氏は「歴史学者187人の声明は反日勢力の『白旗』だった」という主張を以前紹介しました。

「慰安婦の数も同様に「正確な数は分からない」という。では「20万人」という明確な数字はどうなったのか。これまたダデン氏らは、つい2カ月前の声明で断定していた
「 さらに今回の声明には、米側でおなじみの「性的奴隷」という言葉もなかった。「日本軍の強制連行、徴用」という言葉も消えていた。」

氏はその根拠を基に「19人は白旗を揚げた」と言い、右派の多くもそれを信じているのか、彼の解釈に異論を挟む人はいなかったようです。

かくいう私も全文の訳文がネットでは得られませんでしたから、ダデン氏らの「3月声明(Standing with Historians of Japan)」では20万人を断定したと思い込んでいました

しかし暇ができたのでその
全文(英語)をザッとよんだところどこにも20万人と書かれてないじゃないですか!

「Historians continue to debate whether the numbers of women exploited were in the tens of thousands or the hundreds of thousands and what precise role the military played in their procurement. 」

「歴史家は、慰安婦の数は数万または数十万人かどうか、また軍が慰安婦調達に役割を果たしたかどうかを議論し続けています。」と書かれてあって20万人の断定はどこにもありません。ことさら「強制連行」を主張している訳でもありません。

「“comfort women” who suffered under a brutal system of sexual exploitation in the service of the Japanese imperial army during World War II.」

「慰安婦は大日本帝国軍の性的搾取の残忍なシステムの下で苦しんだ」とあります。
「国家的性奴隷」以外にも表現方法は変えなながら「性奴隷」と言っていいような表現が重ねて記述されています。

要するに3月の「19人表明」と「日本の歴史家を支持する声明」とで表現方法に大きく変わりがないと言うことです。
彼は「大ウソ」をついています
「白旗」どころか「連帯旗」の数が大きく増えたということです。

更に声明は
「Some conservative Japanese politicians have deployed legalistic arguments in order to deny state responsibility, while others have slandered the survivors.Right-wing extremists threaten and intimidate journalists and scholars involved in documenting the system and the stories of its victims.」

何人かの保守政治家の国家責任を否定する方便や、右翼過激派がジャーナリストや学者を脅したり、(歴史修正)システムの文書化に関与し、そしてその被害者の話を威嚇していると危惧しているわけです。

()内は私の解釈

そして最後に「いかなる政府も歴史を検閲する権利を持つべきではない」と主張しています。

なにも「マグロウヒル社」の教科書内容を100%肯定するといった文章ではありません。
そして「事実を明るみをもたらすために働いている多くの歴史家と同じ場所に立っています」と立場表明をしたのです。声明のタイトルが「Standing with Historians of Japan」と、まさにそれを表しているのです。
なにも「マグロウヒル社の慰安婦記述を擁護する」と一言も書かれていません。 


古森氏の主張は「原文は誰も読まないだろうから、ウソでも右派が喜ぶ記事を書いて注目を得よう」「ネトウヨが喜ぶから捏造・歪曲は当たり前」という一般読者を全くバカにした「Standing with Net_uyo of Japan」というべきシロモノでした。


右派の自称歴史家や産経新聞は「歴史戦」と勇ましい言葉を用いていますが、
戦うのなら矢を向けられたものを防御し反撃しなければならないのに、全く対応できていません。というより反撃の武器がないので、全く違う妄想の世界(パラレルワールド)で自慰をしているように思えます。
しかし現実はその第2次会戦で相手はより強力な陣容を整え、国内にあってはほとんどの歴史家が参戦した今、彼らは玉砕しか残された道はなく、今後も錯乱状態の発言しか出てこないでしょう。