「日本の歴史家を支持する声明」 欧米で賛同者増えて457人の意味


今回はまず古森義久氏のブログ「歴史学者187人の声明は反日勢力の「白旗」だった」について感想を述べたいと思います。



「 マクロウビル社の教科書の問題部分を執筆したハワイ大学ハーバート・ジーグラー准教授ら合計19人が、今年3月に連名で反発の声明を出した。(略)しかし今回慰安婦問題についての主張が驚くほど後退したと」見解を述べています。
そして反日勢力の「白旗」だったと結論づけています。

「慰安婦の数も同様に「正確な数は分からない」という。では「20万人」という明確な数字はどうなったのか。これまたダデン氏らは、つい2カ月前の声明で断定していた。こういう人たちは自分自身を学者と呼ぶのなら、その良心に従って非を認めるか、あるいは少なくともこの3月と5月の声明の大きな矛盾について説明すべきだろう。」


なるほど19人に限って非難しただけでいいのでしょうか?
問題をそこにもっていきますか?残りの100人以上の考えは頭にないようです。
秦氏のたった2万人という意見も包括した内容ですよ。

その秦氏は「19人声明」の反論として開いた外国特派員協会記者会見での発言で、突然海外日本軍100万人と全く根拠も無い主張をし、今までの自説を曲げています。

1993年300万人(慰安婦数9万人)・1999年250万人(慰安婦数2万人)2015年100万人


今回の「声明」以前の話ですよ、本来なら秦氏にその良心に従って非を認めるか、大きな矛盾について説明を求めなければなりませんが、氏は全くそんな姿勢を微塵も見せていません。 
従って先の意見は片手落ちというより、彼の信念のない思いつきによる単なるイチャモンです。


 「さらに今回の声明には、米側でおなじみの「性的奴隷」という言葉もなかった。「日本軍の強制連行、徴用」という言葉も消えていた。正しい主張をする日本の当事者たちを「修正主義者」や「右翼」とののしることもなかった。ほぼ唯一記された同趣旨の言葉は「ナショナリスト(民族主義者)」だった。慰安婦問題は「民族主義的な暴言によっても、あまりにゆがめられてきました」という記述である。ただし、従来のように日本だけに向けられたものではなく、中国や韓国の民族主義も批判の対象に含めている点が注目に値する。」



右派には直感的に嫌悪感を覚える「用語」を避けたのも理由があると思います。声明の「特定の用語に焦点をあてて狭い法律的議論を重ねること」を否定的に述べている文節は氏のような態度を見せる人に対する皮肉にも思えます。但し「用語」を使用せずとも、それと同義的な言い回しで、強制性や奴隷性については記述されているのですが、氏はその点について否定することはなかったようです。




「誤った主張には断固として反論を続けることが必要」としていますが、日本政府「外務省」が直接修正要求を行ったという事は即ち「検閲じゃないか」との反発には触れていません。
「声明」の発表の動機について何にも考えていないのは、隅っこの内容を重要視した全くお話にならない記事です。

「以上のように、今回の187人の声明を見る限り、慰安婦問題に関するダデン氏らの年来のプロパガンダ的主張は全面的に退けら
れた形となった。日本側の事実に基づく主張が、遠まわしの形にせよ認められたことになる。その点では、実はこの声明は慰安婦問題で日本を叩いてきた勢力が揚げた白旗だとも言えよう。だからこそ、これまで日本糾弾に加わってこなかった研究者たちまでが今回の声明には名を連ねたということなのだろう。」

確かに「19人声明」とは表現方法は少し異なりますが、全ての学者が全く同じ研究成果を導いているわけじゃないですし、全く同じ見解という事もありません。当たり前過ぎてここで言うのもはばかりますが、全ての学者の総意です。いわば最大公約数の意見な訳です。大同小異という言葉を知らない氏の偏狭さがわかる意見です。
それを自説を曲げたとか白旗を揚げたとはどんな狭い了見をしているのでしょう。

「今回の声明を大きく報道した朝日新聞はもちろんこうした部分には触れていない。だが米側のダデン氏ら19人の3月の声明に反論していた日本側の秦郁彦氏や西岡力氏らにとっては目にみえる成果だと言えよう。やはり歴史問題では、誤った主張には断固として反論を続けねばならないということでもあろう。」


「声明」に直接的には書かれていませんが、日本政府による他国教科書への「干渉」に対しての批判的意見や「学問の自由」についての主張など、今回の声明の中で示された部分はもっと重要視された方がいいだろうと思います。
産経新聞はもちろんこうした部分には触れていません。

457人という数字はさらにそのことの重要性を物語っているのではないでしょうか?
右派は「19人声明」がより「薄まった」と喜んでいるのでしょうか?