慰安所は兵のレイプを防げたのか?

進駐先の部隊と一緒に「大勢の慰安婦が移動した」という例はナチスドイツ軍の例と第2次世界大戦後の仏植民地軍を除き、近代史上日本軍にしか見られない点が基地周辺の売春街や私娼を利用していた他国との違いで、だから諸外国では軍が連れ回したこと自体が即ち強制連行じゃなかったのかという考えが支配的です。
(業者が勝手について来たなんて子供じみた弁解は止めましょう。慰安婦の移動には軍が徴用・手配した船舶や車両を使用していた訳ですから)

でも「出張や海外転勤と変わらないから、そんな説はおかしい<`~´>」 と言う人もいますね。
拒否したら最悪クビになるかも知れませんが、当時慰安婦が拒否はできたとは思えません。 
拒否できたとしても、帰国の手段が保障されていた訳でもないでしょう。
拒否の自由が証明がなされない限り「慰安婦の保護規定」もなかった訳で、今のサラリーマンと同列に扱うのは、それこそ空論というべきじゃないでしょうか?
 
 
橋下市長の主張もその意見を覆すに至っていません。
 
それと慰安婦制度は日本兵の現地住民に対するレイプを防ぐために必要で「他国軍と違って人道的なシステムでもあった 」と橋本市長と同じ肯定的意見を述べる人に問いたいのは、本当にそうであったのかと言う事です。

じゃあ英米軍は日本軍と比べて現地女性に対する陵辱事件が日本軍に比べ格段に多かったのですか?確たる事実を証明する数字があるのですか?

これは無理な注文ですね。そもそも正確な比較しうるデータが存在しませんから。
何も英米軍が統制のとれた理性的な軍隊であったと言うのではありません。それについては後述します。

レイプを防ぐ有効な制度では無かったとする傍証はありますが、有効であったとするデータにはお目にかかった事がありません。それを証明する根拠が示されなければただの妄想でしかありません。




上記「支那事変ノ経験ヨリ観タル軍紀振作対策」1940年9月より引用します。

「支那事変勃発ヨリ昭和十四年末ニ至ル間ニ軍法会議二於テ処刑セラレシ者ハ掠奪、同強姦致死傷四二○、強姦、同致死傷三一二、賭博四九四ニ達シアリ」

1年5ヶ月の間に強姦致死傷の罪によって軍法会議で裁かれ有罪判決を受けた日本軍将兵の数が732人とは驚きです。この時既に慰安所は設置されていました。


 
china



中国で発見された山西省「
寿陽戦争損失敵禍統計」1946/7/9では姦淫被害者が2865人と記録されています。
寿陽県は現在でも人口21万人という小さな県です。
 http://trail.tsuru.ac.jp/dspace/bitstream/trair/665/1/%EF%BC%B9-018045.pdf
都留文科大学大学院紀要第18集2014/3 「中国・山東省における戦争記憶」
山東省における虐殺・性暴力について研究レポートです。



日本陸軍の陸軍刑法には強姦致死罪は規定されていましたが、1942年まで強姦自体を罰する規定はなかったので、単なる強姦はその数倍、数十倍あったとしても不思議ではありません。

「強姦してもなんにも罰せられんのやったら、オレらみんな強姦魔になってるやん」
西村眞悟氏は当時のことを理解していたから出た発言なのでしょう。(週刊プレイボーイ1999年11月2日号インタビュー)


ある妄想ネトウヨブログでは「中には暴走する日本兵もいただろうが、それはごく一部であり、大多数の日本兵は世界でも稀有な規律の整ったお行儀の良い兵隊だったという。(そもそも露骨に暴走した兵には軍法会議が待っている)」と主張しています。ごく一部というのはどんな基準でモノを言っているのだろうか?

軍法会議にかけられ、処刑された兵だけでも1942年以降毎年7000人を超えています。全犯罪の70%程が上官に対する侮辱・暴行・殺人といわれています。強姦で死刑にはなりません。
「玉は前から飛んでくるとは限らない」とは有名な言葉です。「月夜の晩だけじゃないぞ」も同じような意味です。
戦闘のドサクサに紛れて「○○殿は名誉の戦死を遂げられました」で軍法会議にならずに済んだ例も多かったでしょう。
ヒエラルキーが最も堅固な組織は軍隊です。その軍において上官に逆らう犯罪が多かったのは、規律が相当乱れていた事になります。

陸軍軍人軍属犯罪
の史料を見れば具体例が多数挙げられています。ネトウヨ君の主張が妄想(ウソ)というのは、確かな証拠が残っているからです。

「韓国において1年間で約22,000件(2013年韓国警察庁)の強姦事件が発生している。それと比べると日本軍は割と少ないのではないか」との指摘もあります。

殺人は929件(同上)その中で強姦致死が50%を越えるとはまず考えられません。
当時の支那派遣軍は60万人~80万人と推定されますが、韓国男性はおよそ1,600万人(20~55才)日本軍は韓国男性のたった5%程度です。犯罪率は全く比較にならない位日本軍が高いでしょう。思いつきで韓国の性犯罪率の高さを言いたいが為に、つまらぬ墓穴を掘っています。

中国河北省で戦った朝鮮人兵士の
「そこで長く暮らしている人たちはその慰安婦のところには行きません。なぜかといえば、そこでなくてもちょっと行けば娘たちだらけですから。強姦するんです。」李栄薫著書による
という証言を根拠に朝鮮人悪玉説を唱える人がいます。でも本人の告白ではありません。

ふーん。当時朝鮮は独立国で朝鮮軍として日本軍と連合して中国戦線を戦ったのかい?オイラは皇軍兵士として従軍したと聞いてはいるが。
指揮命令系統が朝鮮軍にあったのですか?

ただ慰安所の数、慰安婦の数が多くなってからの検挙者数が減少したのか?という資料は見つけることができませんでした。実数が判明しその数が減っていれば右派が主張する根拠にはなり得ます。

しかし以下の記録からは決してそうではなかったと考えられます。

自ら慰安婦案の創設者と言う岡村寧次大将は「第六師団の如きは慰安婦団を同行しながら、強姦罪は跡を絶たない有様である。」と述べています。
「昭和十四年以後はこうした犯罪は漸く減少した。」としつつ「軍紀刷新努力の結果と言わんよりも若年補充兵が社会の悪習に染まらずに出動したからであろう。」とも述べています。
軍紀刷新努力とは戦陣訓の制定や慰安所設置等を意味すると思われます。

慰安婦案創設者の岡村大将でさえその効果に否定的な意見を述べているのです。

しかしあるネトウヨは自身のブログで岡村大将は「海軍にならい長崎県知事に要請して慰安婦団を招き、その後全く強姦罪が止んだので喜んだものである。」とその証言を基に慰安婦制度を肯定的に解釈しています。

ここでも都合のいい部分だけを切り取って己の主張をもっともらしく設えています。
確かに岡村大将はそう述べていますが、それは日中戦争初期の上海事変1932年頃の話であって、日中戦争が泥沼化していた1938年には「全く昔と今とどうしてかくも変わったのか。」と強姦罪が跡を絶たない有様を嘆いています。
同じ人物の証言ですが、どちらを評価すべきかは言うまでもないでしょう。

早尾軍医大尉が1938年にまとめた文書「戦場ニ於ケル特殊現象ト其対策」には、強姦の防止のために慰安所が設けられたが、それでも強姦事件はとまらなかったと述べています。

ある元日本軍の兵の証言によると「慰安所は強姦防止に役立っていたか?」との問いに
「役立っていません。なぜかと言うと、慰安所に行って1円50銭払うんだったら、強姦はタダです。われわれの月給というのは、だいたい一等兵で8円80銭くらい。上等兵で11円くらい。その中から強制的に貯金をさせられるんです。ですから金があまりありませんでした。1円50銭払うんだったら、作戦に行って強姦した方がタダだというような考えがありました。」
さらに別の元日本軍の兵は
「八路軍が沢山いる敵性地区では、強姦はやりたい放題でした。というのは、敵性地区に入った時、指揮官がここは敵性地区だから何をやってもよろしい、という指示を出したのです。何をやってもよろしいということは、強姦しても良いということでしたので、兵隊は誰もかれも女性を見つければ強姦しました。」と証言しています。

こういった証言に対しネトウヨは「その元兵士はコミンテルンに洗脳されたアカだ」というレッテル貼りだけで否定します。単純な感情論です。
終戦直後ならいざ知らず、これらの証言は2000年にされています。

第16師団工兵大十六聯隊の兵だった小野寺忠雄氏は
「ある中隊長は女を連れて歩いたね。上がそんなんやからな。そやから、悪いことをしようとしたらいくらでもできた。わしも女が好きやった。・・・」と中国戦線での強姦の様子を証言しています。彼は後にインドネシアに転戦し、残留日本兵としてインドネシア独立戦争を戦いました。中国共産党やコミンテルンの接点は考えられません。
他にも「上官が略奪した女を連れて歩いたので、今までは真面目に従っていた軍紀なんかクソクラエという気になりました。強姦で罰せられた兵なんて誰一人いませんでした」との証言もあります。

日本軍では強姦に関しての罰則が1942年までなかったという人権に鈍感な体質と、上官の昇進が遅れるという規則のため軍自身による強姦の摘発はほとんど出来なかったのです。
「婦女子に暴行を犯した軍人は、軍法会議にかけられて必ず監獄に入れられた。それから漏れる幾つかの例はあるかもしれないが、基本的には軍法会議ものである。」
中野正志参議院議員 「歴史教科書への疑問」
といった事実に反する主張はウヨクの得意技です。
 


また先の妄想ネトウヨ※は「そんな当時でも高水準の規律を保っていた日本軍が、売春婦を確保するために戦地で人狩りをしたなどという資料は一つもない。」と主張しています。
これは真っ赤なウソです。戦後の軍事裁判で有罪となった7事件の資料が国立公文書図書館に残っています。相手国側資料とはいえ日本はその裁判を受諾した訳ですから否定できませんよ。

確かに強姦を防ぎ規律を維持するために考えた制度ではあったと思いますが、対外的にはそれを肯定できる(強姦・暴行の減少という)根拠がない以上、橋下市長のように言うのはおかしいですね。

慰安所設置の目的は将兵の間での性病の蔓延やハニートラップによる情報漏洩に対処する為とも言われていますが、住民殺戮や上官に対する暴行・殺人もかなり多く、休暇のない兵士のガス抜き施設としての目的でもあったのです。


進駐軍のレイプについて


第二次世界大戦後の進駐軍による強姦・強姦致死事件は多発しました。戦後も女性は大変な被害に遭っています。
当然米兵用の慰安所も開設されましたし(数千人の米軍慰安婦がいたとされています)、私娼も多かった訳ですが日本人女性の被害者数を考えると、慰安所が人道的なレイプ防止システムだったとはとても考えられません。
日本人自身も屈辱的な被害を被った過去があるのに「人道的なシステム」だったと言い張るにはあまりにも歴史のリアリティが感じられない理屈ではないでしょうか?
それとも沖縄を含めるとゆうに1万人を超えるであろう強姦被害者、暴行の上殺害されたり自死した婦女子も千人を下らないとされています。
でも慰安所があったからその程度で済んだと言うのでしょうか?というより日本国民、日本男子はそれで納得したのでしょうね。

確かに日本男子が大規模な抗議活動や暴動を起こしたという話は聞いたことがありません。
1970年、当時米国施政下の沖縄での「コザ暴動」が有名ですが、本土進駐軍に対し大きな抗議の声を上げなかった日本男子は、慰安婦にされた少女を見てみぬふりをした朝鮮人と同じ意気地なしで、記憶を忘却の彼方に置いてきたんでしょう。だから平気で「人道的なシステム」だと言えるのではないですか?



日本人慰安婦は何も文句を言わなかったから問題はないのか?

それでも日本人慰安婦はいままで何も声をあげていないじゃないかとの意見もありますが、そうではありません。
戦後国会において彼女らの声が取り上げられましたが、時の政権により事実上封殺されています。
国会議事録 第003回国会 法務委員会 第10号

しかし、日本人慰安婦個人が名乗り出たのはただ一人ですが、元慰安婦がその経歴を隠し戦後を生きてきたのは容易に想像できます。
また併合した韓国、台湾や占領地と違い、日本人慰安婦は娼妓が慰安婦として戦地に行った事例が多かったこと、騙されて慰安婦になった人でも、(たとえ見舞金がもらえるとしても)過去の経歴が明るみに出ることによる損失の方が大きいと考える人が大多数であったとしても何等不思議ではありません。


慰安婦に対して(当時の法制度・国際常識からみても)人権蹂躙などなかったから戦後も日本人慰安婦はなにも言わなかった。今になって言う韓国人の方がおかしいという単純な論理に付き合う必要もないので、ここでは詳しくは述べません。
 
 
 
 
私が何故こんなブログを開設したかと言うと、嫌韓論に少しは同調していたからです。
所謂ニューカマーの韓国人と接する機会が非常に多かったのと、彼らと仕事上で話をしてもイヤな気持ちになる事が多かったからです。

私が仕事をしているのは日本でも有数の繁華街ですので、接する韓国人は韓国クラブの(イミテーション結婚)ホステスや売春に従事する出稼ぎ(観光ビザ)も多く、旬が過ぎた「したたかなオンニ」の飲食店店主や商売人達もです。反日教育を受けたせいか、カルト宗教信者みたいに頑なな考え方の留学生達も。
やはり彼らと接していればストレスも溜まったのです。
そういう事で巷あふれる嫌韓論にも興味をもったものですが、これは己の気持ちを代弁してくれたという一種の爽快感もあっての事でした。

しかし彼らのそれぞれの経歴、韓国との文化の違いや日韓関係の歴史を冷静に考える自分もいました。
慰安婦問題もネット上で蔓延している右派の主張にも、少し誇張しているな、程度で
受け入れていたのですが、「河野談話」の成立経緯を知ってから、政治的な判断はともかく右派の主張があまりにも単純で説得力が無いことに気づいたからです。

今でもクラブ・バーのホステスや風俗従業員(売春婦) として多くの韓国人が日本で働いています。
彼女ら(割合が少ないですが男性もいます)の大多数は親に売られたわけでもなく、カード破産や借金逃れから来日しています。勿論親の事業の失敗で多額の負債を抱えさせられたケースもあるようですが、ほとんどは本人の借金で格好悪いからそう説明しているのだとも言います。
日本人の風俗産業に従事している女子と何等変わりません。

しかしどう考えても感覚的に慰安婦と売春婦は違うと思えてなりませんでした。

単純に自虐史観だの反日だ在日だの左翼だのと一蹴せずに、ネトウヨ諸君にはもう少し納得出来る説明が欲しいと思います。
「アメリカの反日宣伝だ」「WGIPによる洗脳だ」「コミンテルンの仕業だ」「北朝鮮のスパイだ」なんて薄っぺらいお粗末な陰謀論は結構ですよ。
 


引用したものについてのソースは適当に省略していますが、ネット検索すればほとんど出てくると思います。
謝罪と賠償については本題でないのでまた改めて詳しく確認したいと思います。